Windowsのパソコンに別途セキュリティソフトを購入してインストールしている人はどれくらいいるでしょうか?
あまり意識したことがないという人もいれば、Windowsには「Windows Defender」というセキュリティソフトが標準搭載されているので、それで事足りると思っている人もいるかもしれません。
セキュリティ対策は必要というけど、ウイルス感染やPCの故障など危険を感じたことがないと、その重要性ってなかなか実感できませんよね。
ということで、ここではパソコンにセキュリティソフトは必要なのか? Windowsに標準搭載されているWindows Defenderだけで大丈夫なのか? まとめました。
被害にあってからでは遅いのでパソコンのセキュリティの重要性は意識しておこう
まずパソコンにセキュリティ対策をしておくことは大切であると意識しておきましょう。
実害がないとなかなか意識しづらいですが、被害にあってからでは遅いです。
例えば、自宅だって泥棒が入らないようにドアや窓には鍵をかけますよね。被害にあってからでは遅いので防犯対策をしているはず。
それと同じ。パソコンには業務に必要なデータや個人情報がたくさん保存されているだけでなく、クレジットカード情報など金銭に関わる情報も扱うため注意が必要です。
万が一、個人情報が漏えいした場合、損害賠償の額によっては相当な負担になりますし、それ以上に会社の信用を損なうことが大きなリスクとなります。
迷惑メールや詐欺サイト、パソコンの誤操作など、いろいろなところにリスクは潜んでいますので、自分は大丈夫と過信せずに大切なデータを守るという意識が大切です。
Windows標準搭載のセキュリティソフト「Windows Defender」だけじゃダメなの?
Windows10というOSにはWindows Defenderというセキュリティソフトが最初からインストールされています。
そのWindows Defenderにはどのようなセキュリティ機能があるのか?
主な機能についてご紹介します。
リアルタイム保護
パソコンを起動すると同時にWindows Defenderがバックグランドで動作しており、パソコンをリアルタイムで監視しています。
それによってウイルスなどの不正なプログラムのが実行されるのを防いでくれます。
ファイアウォールによる保護
ファイアウォールとは防火壁という意味で、インターネットやネットワークなど外部からの不正侵入やマルウェアによるパソコンへのアクセスを防ぐ役割を担っています。
ランサムウェアの防止
ランサムウェアとは、感染したパソコンをロックしたり、ファイルを暗号化して使えないようにする悪意のあるプログラムです。
パソコンの所有者がPCを使えるようにする代わりに「身代金」を要求してきます。
Windows Defenderはこのランサムウェアを防止しデータを守る機能を持っています。
アプリとブラウザーコントロール
アプリとブラウザーコントロールでは、危険性のあるアプリ、ファイル、Webサイト、ダウンロードからパソコンを保護する役割を持っています。
Windows Defenderの主な機能を紹介しましたが、これだけいろいろなセキュリティ対策が含まれていれば安心と思われるかもしれません。
では市販のセキュリティソフトとの違いは何なのでしょうか?
違いがなければお金を出して別途購入する必要はありませんよね。
Windows Defenderと市販セキュリティソフトの比較
Windows Defenderと市販セキュリティソフトの主な違いは、ウイルスの検出率やその他の保護機能にあります。
こちらのデータをご覧ください。以下のグラフは、代表的なセキュリティソフトの性能や速度などを検証している機関である「AV-Comparatives」の調査結果です。
グラフの下に書かれている英語がセキュリティソフトです。赤丸で囲っているMicrosoftがWindows Defenderになります。
【グラフの説明】
灰色:ウイルスやマルウェアなどをシャットアウトした割合
赤色:ウイルスを防げなかった割合
黄色:ユーザーが不正サイトアクセスなどで自らウイルスを招いてしまった割合
オレンジの折れ線グラフ:安全なものも危険だと検出してしまう誤検出の割合
つまり灰色の部分が多いほど優秀なセキュリティソフトといえます。
見ていただくと分かりますが、Windows Defenderの性能は悪くありません。
有料のセキュリティソフトであるESETやカスペルスキーと比べても引けをとっていないですね。
トレンドマイクロのウイルスバスターに関しては、Windows Defenderより赤のウイルスを防げなかった割合が多いです。
この結果からパソコンに別途有料のセキュリティソフトを購入してインストールする必要性を感じないかもしれません。
では有料セキュリティソフトの意味って何なのでしょうか?
よりセキュリティを高めたい、サポートが必要な人はセキュリティソフトの導入を
パソコンの使用用途によりますが、Windows Defenderだけでも十分な機能は搭載されています。
じゃあ、別途セキュリティソフトを購入する意味がないと思われるかもしれませんが、Windows Defenderだけでは不十分なケースもあります。
それは迷惑メール対策や個人情報の保護、ネットバンク保護などといったマルウェア対策機能以外の部分です。
市販のセキュリティソフトにはそういった保護機能が搭載されているので、ネットバンキングをしているとか、迷惑メールが多くて困っているなど、Windows Defenderでは防ぎきれない部分を強化したいのであれば導入を推奨します。
それともう一つ、セキュリティソフトを別途購入するメリットはサポートです。
多くの市販のセキュリティソフトには電話サポートがあるので、「ウイルスに感染した」「怪しいメッセージが表示されたなど」セキュリティソフトに関するトラブル時には心強いです。
Windows Defenderにはそういったサポートはないので、パソコンに詳しくないなど自己解決が難しい場合には導入を検討するといいでしょう。
セキュリティソフトの選び方
別途セキュリティソフトを購入する場合、どの製品を選べばよいのか?
基準としては有料ソフトで検出率が高く、動作が軽いものがおすすめです。
有名なところでいうと、
- シマンテックのノートン
- トレンドマイクロのウイルスバスター
- カスペルスキー
- ESET
- マカフィー
あたりでしょうか。
ちなみに、わたしがお客様にすすめているのはキャノンITのESETというセキュリティソフト。動作が軽いのでパソコンが遅くなりにくく、検出率も高いです。
価格は3年更新で5,940円(税込)。月額たった165円なので、コンビニのコーヒーを一杯分をパソコンのセキュリティ代にすると思えば安いもんでしょう。
セキュリティを高めたいからといって複数インストールするのはNG
セキュリティソフトのインストールは、1台のパソコンにつき1つだけであることが原則です。
複数のセキュリティソフトをインストールするとソフト同士が正常に機能せず、パソコンの動作にも支障をきたす可能性がありますので1つにしておきましょう。
また「Windows Defenderが搭載されているのに、市販のセキュリティソフトを導入して問題はないのか」という疑問に対しては、通常、市販のセキュリティソフトをインストールすると自動でWindows Defenderを無効にしてくれるので心配する必要はありません。
パソコンのセキュリティは高めておくに越したことはない
セキュリティ対策はパソコンの使用用途にもよるのでWindows Defenderだけで十分な人もいれば、別途セキュリティソフトを購入したほうがいい人もいます。
人によって正解が違うので一概には言えませんが、やらないよりはやっておいたほうが安心ということですね。
家の鍵だってしないよりはしたほうがいいし、鍵が1つよりも2重ロックのほうが安全です。さらにはセコムに入っておいたほうがより安心ですよね。
セキィリティソフトはそんなに高額なものではないので、不安であれば購入してインストールしておいたほうがいいでしょう。
それでパソコンの安全性がアップするのであれば安いもんです。
テレワークの導入などでパソコンのセキュリティ対策が重要な状況が増えてますので、これまで何も意識していなかったという人はぜひ導入を検討してみましょう。
micataではパソコンやネットワークのセキュリティ対策について相談に載っていますので、質問やご相談があればお気軽にどうぞ。