- ChatGPTやAIという言葉はよく聞くけれど、自社の仕事でどう使えばいいのか分からない
- 社員数人の会社でも、AIを導入する意味はある?
- 専門知識や高額なシステムが必要なのでは?
このように感じている個人事業主や小規模事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
AIは、決して大企業やIT企業だけのものではありません。現在は、普段使っているパソコンやスマートフォンから利用できるAIサービスもあり、メールや案内文の作成、Excel作業など、身近な業務の負担を減らすためにも活用できます。
ただし、ここで一つ大切なことがあります。
AIを導入すること自体が目的ではありません。大切なのは「毎日の仕事を少しでも楽にすること」です。
AIは、そのための手段のひとつにすぎません。
今回は、延岡市で法人ITサポートを行う合同会社micataが、個人事業主や小規模事業者の方に向けて、無理のないAI活用・業務効率化の進め方をご紹介します。
AI導入の前に考えたい、本当の目的は「仕事を楽にすること」
AIツールを契約しただけで、仕事が自動的に楽になるわけではありません。
例えば、次のようなケースが考えられます。
| 普段の困りごと | 改善方法の例 |
|---|---|
| 毎月の案内文作成に時間がかかる | AIに文章の下書きを作成してもらう |
| 紙の資料を印刷して取引先へ配っている | PDF化してクラウドで共有する |
| Excelへの入力や集計が大変 | 関数や入力方法を見直す |
| 同じ内容を何度もメールで送っている | メールのテンプレートを作成する |
このように、AIが役立つ仕事もあれば、既存のExcelやクラウドサービスを活用するだけで改善できる仕事もあります。
最初に考えるべきことは「どのAIツールを使うか」ではなく、「今の仕事で何に時間がかかっているのか」「どの作業を減らしたいのか」ということです。
【実際の改善事例】AIを使わず、半日以上の作業が約1時間に

実際にmicataがサポートした居宅介護支援事業所では、毎月の活動報告書を紙に印刷し、日向市や延岡市北方町方面などの関係先へ車で配布していました。
その作業時間はおよそ半日以上。
そこで、紙での配布を見直し、PDFとクラウドサービスを活用した共有方法へ変更しました。
その結果、半日以上かかっていた作業が約1時間になり、印刷用紙やトナー、ガソリン代、移動にかかる負担も減らすことができました。
| 改善前 | 改善後 |
|---|---|
| 毎月の資料を印刷 | PDFを作成 |
| 関係先へ車で配布 | クラウドで共有 |
| 半日以上の作業 | 約1時間 |
| 印刷・移動の費用が発生 | 印刷・移動にかかる費用を削減 |
この改善にAIは使用していません。
大切なのは、新しい技術を取り入れることではなく、今の仕事に合った方法を見つけることです。
AIもその選択肢のひとつとして考えてみましょう。
個人事業主や社員5名以下の小さな会社でもAIは活用できる?
「AI導入」と聞くと、大掛かりなシステム開発や高額な初期費用を思い浮かべる方も少なくありません。
しかし、日常業務を効率化するためであれば、そのような準備が不要なケースもあります。
例えば、ChatGPTやGeminiなどの対話型AIは、インターネットに接続できるパソコンやスマートフォンから利用できます。
個人事業主の方であれば、まずはご自身のメール返信やSNS投稿の下書きで試してみる。
社員が数名いる会社であれば、社長や事務担当者が1〜2つの業務で使い始め、効果を確認してみる。
最初から全社員に導入する必要はありません。
まずは、毎日・毎週繰り返している仕事の中から、AIに手伝ってもらえそうな作業を一つ見つけることから始めてみましょう。
AIでどんな仕事が楽になる?小規模事業者の活用例
AIにはさまざまな使い方がありますが、まずは文章の作成や要約、アイデア出し、データ整理といった身近な業務から取り入れるとよいでしょう。
| 業務 | AIの具体的な活用方法 |
|---|---|
| メール・連絡文 | 伝えたい内容を箇条書きで入力し、丁寧なメール文章を作成 |
| 見積書・請求書 | 備考欄の注意書きや、作業内容の説明文の作成を補助 |
| Excel作業 | やりたい集計方法を伝え、必要な関数の設定やデータ集計、表の作成・修正まで行ってもらう |
| 求人募集 | 仕事内容や募集条件をもとに求人原稿の下書きを作成 |
| SNS・Web発信 | Instagramや公式LINE、ブログの投稿文を作成したり、投稿用画像やキャンペーン用バナーの作成を補助 |
| 社内・取引先文書 | 休業案内、価格改定のお知らせ、作業手順書などの下書きを作成 |
| 議事録・打ち合わせ | 文字起こしした内容から決定事項や今後の予定を整理 |
| お客様への対応 | 問い合わせや口コミへの返信文、よくある質問への回答案を作成 |
| 資料の要約・整理 | 長いPDFや資料の内容を要約し、必要な情報を分かりやすく整理 |
| アイデア・企画 | 新サービス、キャンペーン、業務改善などのアイデアを考える |
AIにすべてを任せるのではなく、文章の下書きや情報整理を手伝ってもらい、最後は自分で確認・修正する。
そんな使い方から始めると、無理なく仕事に取り入れられます。
実際にAIへどのように指示すればいい?
例えば、取引先との打ち合わせ日程を変更したい場合。
普段なら、相手に失礼のないよう文章を考え、メールを作成する必要があります。
そんなときは、AIに次のように入力してみましょう。
ChatGPTへの入力例
取引先との打ち合わせ日程を変更したいので、メールを作成してください。
現在の予定:10月6日 14時
変更希望:10月8日 15時
相手は既存の取引先です。失礼のない丁寧な文章にしてください。
AIは、入力された内容をもとにメールの下書きを作成してくれます。
AIの回答例
件名:お打ち合わせ日程変更のお願い
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
合同会社micataの〇〇です。
10月6日(火)14時より予定しておりますお打ち合わせにつきまして、誠に恐縮ですが、日程を変更いただくことは可能でしょうか。
【変更前】10月6日(火)14:00~
【変更希望】10月8日(木)15:00~
こちらの都合により、お手数をおかけして申し訳ございません。
ご都合をお聞かせいただけますと幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

ChatGPTに伝えたい内容を入力するだけで、メールの下書きを作成できます。
このように、何をしてほしいのか、相手は誰なのか、どのような文章にしたいのかを伝えることで、目的に合った文章を作成しやすくなります。
最初から難しい指示を覚える必要はありません。
普段、人に仕事をお願いするような感覚で使ってみましょう。
業種別の具体的なAI活用イメージ
建設業・現場系
建設業では、現場作業だけでなく、事務所に戻ってからの書類作成や取引先との連絡などにも時間がかかります。
例えば、次のような業務に活用できます。
- 工事着工前の近隣住民への挨拶文・案内文の作成
- 現場作業日報のメモを読みやすい文章に整理
- 協力会社や施主への連絡メール作成
- 自社の仕事内容を伝える求人原稿の作成
現場でメモした内容をAIに整理してもらうだけでも、書類作成の負担を減らせる可能性があります。
店舗・サービス業(飲食店・美容室・小売店など)
店舗やサービス業では、接客や日々の業務に加えて、SNSなどでの情報発信も必要になります。
- Instagramやブログの投稿文・画像作成
- 季節のキャンペーン案内
- 新メニューや新商品の紹介文
- お客様から寄せられた口コミへの返信文案
文章を一から考える時間を減らすことで、日々の情報発信を続けやすくなります。
事務・バックオフィス
業種を問わず取り入れやすいのが、事務作業への活用です。
- Excelの関数や集計方法を相談する
- 取引先へのお詫び状や催促メールなどの文章作成
- 社内向けの案内文やマニュアルの作成
- 補助金申請などに必要な事業概要の下書き整理
例えばExcelで「担当者ごとの売上を合計したいけれど、関数が分からない」という場合にも、AIに質問できます。
使用しているExcelの構成と、どのような結果を出したいかを伝えることで、関数や設定方法を教えてもらったり実装もしてもらえます。
小さな会社がAIを導入するまでの5ステップ

AIを取り入れる際は、一度に多くのことを始めず、少しずつ進めていくことが大切です。
STEP1|普段の仕事で「面倒なこと」を書き出す
まずは、日々の仕事で時間がかかっていることや、負担に感じていることを整理します。
- 毎回同じようなメールを作成している
- Excelの関数を調べるのに時間がかかる
- 日報や書類の作成で残業している
普段当たり前に行っている作業の中にも、改善できることが隠れているかもしれません。
STEP2|AIで効率化できる仕事を1〜2個選ぶ
整理した業務の中から、AIが得意な作業を選びます。
最初は文章作成や要約など、比較的取り入れやすい業務に絞るとよいでしょう。
先ほどの改善事例のように、AI以外の方法が適している場合もあるため、仕事内容に合った手段を選ぶことが大切です。
STEP3|業務に合ったAIツールを選ぶ
AIサービスには、ChatGPT、Gemini、Microsoft Copilotなど、さまざまな種類があります。
まずは無料で利用できるAIサービスを、機密情報を入力しない範囲で試してみるのもよいでしょう。
仕事で本格的に活用する場合は、入力データの取り扱いやセキュリティ設定を確認し、必要に応じてビジネス向けプランの導入を検討します。
STEP4|実際の仕事で使ってみる
基本的な操作を覚えたら、普段の仕事で使ってみましょう。
メール作成やExcelの関数など、自分が困っている作業で試してみると、AIの使い方を理解しやすくなります。
最初から難しい操作を覚える必要はありません。
STEP5|効果を確認して活用を広げる
しばらく利用したら、仕事がどのように変わったかを確認します。
例えば、メール作成に15分かかっていたものが5分になれば、1回あたり10分の短縮です。
ただし、AIが作成した内容の確認や修正にかかる時間も含めて、実際に効率化できているか判断しましょう。
効果があった業務は継続し、ほかの仕事にも少しずつ活用を広げていきます。
仕事でAIを使うときに守りたい3つの注意点

AIは便利な一方で、仕事で利用する際には情報の取り扱いなどに注意が必要です。
特に、次の3点は確認しておきましょう。
① 個人情報や取引先の機密情報を安易に入力しない
AIサービスによって、入力したデータの取り扱いは異なります。
個人向けのAIサービスでは、入力内容がAIの学習に利用される設定になっている場合もあります。
顧客の氏名や電話番号、非公開の取引情報などを安易に入力せず、利用するサービスの設定や契約内容を確認しましょう。
② AIの回答をそのまま使用せず、必ず人が確認する
AIが作成した文章や情報には、誤りが含まれることもあります。
特に日付や金額、法律・税務、専門的な内容など、正確性が求められる情報は必ず確認してから使用しましょう。
③ 社内での利用ルールを共有する
社員がいる場合は、使用するAIサービスや入力してはいけない情報など、基本的な利用ルールを決めておきましょう。
詳しい注意点については、以下の記事でも解説しています。
その入力で大丈夫?業務でAIを活用する際に気を付けるべき7つのこと
延岡市・県北でAI活用・業務効率化をお考えなら合同会社micataへ
AIの導入からではなく、まずは今のお仕事のお困りごとからご相談ください。
合同会社micataでは、延岡市を中心に、宮崎県北エリアの個人事業主・小規模事業者の皆さまに向けて、IT活用や業務効率化のサポートを行っています。
- 毎月の請求業務や書類作成に時間がかかっている
- Excelでの管理が大変で、ミスも起きやすい
- AIに興味はあるけれど、自分の仕事で何に使えるのか分からない
- ITに詳しい社員がおらず、どこから手をつければいいか分からない
そんなお悩みはありませんか?
私たちは、何でもAIを使えば解決するとは考えていません。
現在のお仕事内容やパソコンの利用環境をお聞きし、AIツールの活用はもちろん、既存のExcelの改善やクラウドサービスの導入など、無理なく取り入れられる方法をご提案します。
高額な専用システムを導入しなくても、今あるパソコンやサービスを少し工夫するだけで、仕事が楽になることもあります。
AIはあくまでも手段。目指すのは、毎日の仕事を少しでも楽にすることです。
延岡市・日向市・門川町など宮崎県北の個人事業主・小規模事業者の皆さま。
「何から相談すればいいか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。
AI導入についてよくある質問
Q. パソコン操作が苦手でもAIは使えますか?
はい。メールやインターネットを利用できる程度の操作ができれば、始められるAIサービスもあります。
キーボード入力が苦手な方でも、音声入力機能を使って利用できる場合があります。
Q. 個人事業主や社員1〜2名の会社でも導入する意味はありますか?
あります。少人数の会社では、一人が営業や現場作業、事務など複数の仕事を担当していることもあります。
AIを文章作成や情報整理の補助に活用することで、日々の業務負担を減らせる可能性があります。
Q. AIの導入にはどれくらい費用がかかりますか?
AIの導入費用は、利用するサービスや導入範囲によって異なります。
ChatGPTなどの生成AIは無料で試せるサービスもありますが、仕事で継続的に利用する場合は、セキュリティや管理面を考えて有料プランや法人向けプランの利用をおすすめします。
費用は、一般的な生成AIサービスであれば月額数千円程度から利用できるものもあります。
また、社内業務に合わせたAI活用の仕組みづくりや、社員向けの使い方サポート、業務改善まで行う場合は、別途導入支援費用が必要です。
Q. 自社の仕事にAIが使えるか分からないのですが、相談できますか?
もちろんです。
AIの導入を前提にせず、現在のお仕事内容やお困りごとをお聞きしたうえで、業務効率化につながる方法を一緒に考えます。
AIが適しているのか、Excelの改善やクラウドサービスの活用など、別の方法がよいのかも含めてご提案します。

